SSブログ

国際公募墨画展は後半に入りました [絵画]

1.jpg

開会セレモニーのテープカット

左3人は中央アジアの国々の高官です。


先般ご案内しました国際公募墨画展『美は国境を越えて』も

すでに後半に入りました。

今回は22か国から作品が集まりました。

2.jpg

自分は初日に行ったのですが

(自身の作品を除けば)

どの作品も素晴らしいものばかりで感動の連続でした。

7.jpg

国際墨友会会長・小林東雲氏の作品


4.jpg

映画『線は僕を描く』で使われた横幅5m位ある大作。湖峰とありますが

実際に描いた人はこれも小林東雲会長の作品です。

SS★バラ東雲先生のバラ(千瑛とあるのは映画の中の名まえ).jpg

バラ

千瑛とは映画のなかで画家役の人の名まえです。


「墨に五彩あり」

これは古来から語り継がれてきたことばですが

墨でありながらその濃淡で

赤にもなれば緑にもなるのが墨画の素晴らしいところです。


この展覧会のいいところは

芸大の名誉教授ら名だたる先生方が審査するのですが

審査が終わっても

受賞者が誰だかわからないところです。

他の展覧会では作品の脇に受賞者には「〇〇賞」と書かれた札があるのですが
ここにはありません。
鑑賞者は、先入観を持たずにそれぞれの感性で絵と対峙することができます。


3.jpg

水墨画界の重鎮(審査員)の皆さん。審査委員は、このほかにも数名いる。



5.jpg


6.jpg



続き欄にわたしの絵画に対する意見を記します。



絵画に対する私見


 素人のわたしが言うのはおこがましいのですが、国際墨友会の「展覧会で受賞者の名を明かさない」という考え方にわたしは大賛成です。

 作品を観る人は十人十色みな感性が違います。賞を取っている人の絵だから素晴らしいとは限りません。その人にとって感動する絵ならば、どんな絵でもそれで十分なはずです。

 日本では絵画指導者がコンクールで賞を取ることを重視している傾向があります。これっておかしいと思いませんか?

 応募者にとって賞を頂くことは嬉しいこと、素晴らしいことではあるけれど、賞を取ることと世の中に認められることとはちがいます。表層的な価値や肩書をつけても時は刻々と変化するものですから創造性がなければ折角戴いた肩書(権威)は、すぐ剥がれてしまいます。

 日本の「美術年鑑」をみると、それぞれの画家に対し1号幾らとサイズで価格が決められています。画家ファーストではなく、日本はビジネスファーストなんですね。作家(画家)より、値付けをする画廊や画商の方が偉くなってしまっています。

それが当たり前のようになって、巷ではこちらが「趣味で墨絵を描いています」というと、「きみの絵は1号幾らぐらいするのかね?」とよく言われます。このような人にはムッとします。こちらは売るために描いているわけではありません。ヘタでも描くのが好きで一日一画を続けているだけなのに・・・です。

△SS暁烏印二段濃淡_edited-1.jpg

今日描いた一幅

古事記にある「因幡の白兎」の部分を草書で書いてみた。

白抜き軸なので軸に直接描けるが、一発勝負描き直しができないので集中力と緊張が伴う。


 2003年フランスでもっとも栄誉ある勲章レジオンドヌールをもらった画家・松井守男氏は、この点を痛烈に批判しています。

かれは画商や画廊を通さず自分で値を決めて売っています。これが画家本来の姿ではないでしょうか。

画商・画廊は松井氏のやり方では商売にならないためか美術年鑑には、無視されていて彼の名は載っていませんね。画商や画廊を通さねば世界的に名の知れた画家でも「名無しの画家」なんですね。何かおかしい・・・・。

[サッカー]

<参考>

画家・松井守男氏の略歴:

1942年愛知県豊橋市生まれ、2022年5月30日(79歳)没。代表作「遺言」

武蔵野美術大学を卒業後すぐフランス・パリに渡る。ピカソから直接薫陶を得る。

2000年 フランス政府からシュヴアリエ芸術文化勲章受章。

2003年フランスでもっとも栄誉ある勲章「レジオンドヌール勲章」(ナポレオン ボナパルトによって制定された栄典)をもらった画家。これにより死後、ルーブル美術館に彼の作品は展示される。ルーブル美術館は、原則画家の死後でなければ展示されない。たった一人生前掲げられた画家がいる。それはピカソ。

タグ:墨絵
nice!(45)  コメント(18) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 45

コメント 18

yoko-minato

私はそう言って頂けるとホッとします。
絵画も墨絵も何でもですがいいな~と
思ったものが好きで詳しい事は分らない
方なのです。
それでも好きなものを見ると気持ちが(´▽`) ホッ


by yoko-minato (2023-02-03 08:08) 

夏炉冬扇

絵は下手です。遺伝かなあ。
烏?がいいなぁ。
by 夏炉冬扇 (2023-02-03 08:15) 

Take-Zee

おはようございます!
私も芸術にはうとい人種です・・・
下から2枚目のカラス、どこかで見たような
気がします(^-^)!

by Take-Zee (2023-02-03 09:11) 

tomi

絵画は贈られたらお礼する。欲しい人が値を決めて買う。如何でしょうか?
by tomi (2023-02-03 10:06) 

いろは

こんにちは^^
水墨画はとても惹かれます。
色が無い分、誤魔化しが効かないですね。
拝見していると色が見えてくるようです。
心に響くものがあります。
今回はお伺い出来なくて、とても残念です。
by いろは (2023-02-03 15:49) 

OJJ

「墨に五彩あり」異議なしです!50年ほど前のことですが神戸から日本海まで過半を徒歩で行った時、但馬の応挙寺に参詣、障壁画をご印綬さんから説明頂き、円山応挙ってすごい人だったんだな~と思い登山靴に履き替えていると,お庫裏さんが『ご印綬さんは目が悪くなって、ほぼ全盲なんです』と済まなそうに・・。ツレと飛び上がって驚いた~
凡人の私が見る松は緑ですが墨は茶色に見える時が有りますですハイ!
by OJJ (2023-02-03 20:58) 

Boss365

こんにちは。
画家・松井守男氏さんの考え方・行動、色々な事に通じる姿ですね。
作品は、一般的に万人の評価で決まるモノですが・・・
その権利を画商や画廊に委ねられる事に疑問あります。
もしかしたら、今の時代は個人で世界に発信出来るので・・・
画家・松井守男氏さんのようなスタイルが通用する可能性あり。
ところで、画商や画廊を擁護する訳ではないですが・・・
若いアーティストを育てるパトロン的な面もあります。
友人に作家さんがいますが・・・
個展などを開く時は大変お安いお値段で場所を提供され、大変助かっているみたいです!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2023-02-03 22:20) 

お散歩爺

確かに抽象的な作品を画商が決めて作者を表示するのはおかしいですね。
ピカソの絵だって人によって好き嫌いがありますからね。
by お散歩爺 (2023-02-04 07:55) 

tarou

お早うございます、聖徳太子が建立した四天王寺に
コメントを有難うございました。
水墨画はどこか引かれるところがあります。

by tarou (2023-02-04 08:02) 

kiyotan

墨絵 良いですね 濃淡で十分奥行きや雰囲気が
感じられます。
ここまで描けるようになるには長年かかるのでしょうね
描写がとっても柔らかでしなやかです。
by kiyotan (2023-02-04 10:48) 

暁烏 英(あけがらす ひで)

KIYOTANさん
古希を過ぎてから水墨画を始めましたので9年めになるかなあ。
父親が書道の師範だったから小学校低学年から鍛えられました。でも飽きっぽいから17才のとき県知事賞を貰ったあと直ぐ止めました。それからは墨画を始めるまで筆を持たずでした。墨画は、子供時代に習った運筆を体が覚えていて役立っているようです。
by 暁烏 英(あけがらす ひで) (2023-02-04 23:00) 

横 濱男

墨絵って何だか良いですね。
絵画に対する私見・・・同意見です。
作品評価は一がするので、個人的な嗜好も入ってきます。
評があってもその人の個人的見解だし。。
来館者が票を投じれば良いのでは。。なんて思います。
by 横 濱男 (2023-02-05 09:06) 

暁烏 英(あけがらす ひで)

横 濱男さん
展覧会の中には、来館者の投票による評価方法をとるところもありますね。しかし、この方法も欠点があります。出品者の友人が大挙やってきて、その人に投票するケースがあります。あれ~っ、この絵にこんな多くの票が? ・・・なんていうケースもあるんです。
by 暁烏 英(あけがらす ひで) (2023-02-05 21:27) 

mayu

猫の絵、カラスの絵、目が生き生きとして、生きているかのようですね。白と黒で表現する世界も、美しいものですね。
by mayu (2023-02-06 07:47) 

リュカ

因幡の白兎、素敵ですね。
大国主命の優しさが感じられるなって思いました^^
by リュカ (2023-02-06 13:32) 

Inatimy

猫の目に釘付けです。パッと見て、そこに目を奪われました。
枝にとまった鳥の羽根も、首元と尾の方で、質感が違いますね。
by Inatimy (2023-02-08 00:12) 

プー太の父

暁烏さんのお考えに私も同感です。
描く人観る人それぞれの感性や考え方が違うのに
あれこれ枠にはめて順位をつけるのはおかしいと思います。
それにしても素晴らしい作品ばかりですね。
by プー太の父 (2023-02-12 19:10) 

hide-m

素晴らしいですね。ほんと、色が見えるようです!
by hide-m (2023-11-02 21:17) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント