思い入れのある花 [花と心象]
絶滅危惧種カザグルマが咲きました。
2年ぶりです。
この花には、親友の思いが詰まっています。
以前にも書きましたがカザグルマは
キンポウゲ科センニンソウ属の蔓性多年草です。
本州、四国、九州北部、東アジアの林縁に自生します。
しかし、育てるのは結構難しい植物です。
都市化の進んだ船橋市ではとうの昔に絶えてしまったと思っていたところ
かれは数年前偶然近くの雑木林でこれを見つけました。
友は挿し芽で数を増やし、
これを船橋市立アンデルセン公園に寄贈しましたが
同公園は、1年で全て枯らしてしまいました。
自宅に残しておいた1本から再び増やして数鉢作りました。
このうちの一本が写真の花です。
頂戴した翌年は1輪、2年目はゼロ。
3年目の今年は6輪咲きました。
なぜ去年は咲かなかったのだろうか?
カザグルマの身になって考えてみました。
丹精込めて育ててくれた人が前年の12月に亡くなっているのです。
だからカザグルマも悲しかったのではなかろうか・・・・。
親友の死後、かれの息子はこの貴重なカザグルマを1鉢も残さず
処分してしまいました。
先はじめはの花弁は6枚ですがその後、風車のように8枚になる。
友人宅にあったカザグルマの遺伝子を引き継いでいるのは
わが家のこの一鉢だけです。
◆
<備考>
1.カザグルマは、友人の努力で平成19年に船橋市の花に制定されました。
2.カザグルマが欧州に渡って改良され里帰りしたのがクレマチスです。つまりクレマチスの原種なんですね。
似たような花でテッセンがありますが、これは中国が原産でカザグルマとは似て非なるものです。
3.この花は、環境省レッドリスト2020では、準絶滅危惧種です。また神奈川県では絶滅危惧類にランクされています。
4.日本でのカザグルマは、全国に約20種が自生しています。
5.咲かなかった本当の理由は、この花の特徴を知らなかったためのようです。
というのは、カザグルマは、旧枝咲といって、前年に伸びた枝に花をつける特徴があるのです。
一輪咲いた年に、蔓が伸びすぎたと思ってうっかり剪定しまったようです。
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