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乗鞍岳 [人生とは死ぬまでの暇つぶし?]

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「海千山千」とは、
海に千年、山に千年住んだ蛇は、
やがて龍になるという言い伝えから、
せちがらい世の中の裏も表も知っていて老獪(ろうかい)な人をいう。

過去何度も記したけれど、自分の趣味のなかにセーリング・ヨットと登山がある。
どちらも1,000里(3,750km)以上の帆走、山歩きをしているので、
本来の意味とはちょっと違うけれど自身も「海千山千」といえる。
だから、あの世では龍になれずとも「極楽トンボ」ぐらいにはなれるかもしれない。

実生活では単細胞的生き方をしているけれど海と山に関しては老獪である。
その証にヨットに落雷をうけても、雪山で道に迷っても遭難せずにかいくぐってきた。
今夏は心臓が不規則運動しているため、周囲から「無茶だ!」と言われたが、
3,000mを超える山に行ってきた。
「登ってきた」と書かないわけは、
最高峰剣ヶ峰が3,025mであっても、実際に登った部分の高低差は、
323mしかないためだ。
いまの体調に見合った山を選んだのである。
高低差は少ないけれど2泊3日のうち畳平付近の山を8座歩く。
以下、ビジュアルでご紹介。

第一日目(移動日)

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JR中央線の特急で松本まで行き、ここから松本電鉄に乗り換え新島々駅へ

SS IMG 3091★新島々駅わきの軽食レストラン.jpg

新島々駅裏にあるしゃれたレストランで昼食をとる。駅付近にはここ一軒しかない。

駅前からバスで乗鞍高原経由畳平へむかう。

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バスに乗った直後、右手の草むらにカモシカが・・・。

SS IMG_3151★畳平の景観.jpg

畳平到着

IMG_3140★畳平到達証明書.JPG

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一日目は移動日。魔王岳と恵比寿岳を登って終わり。
魔王岳への登山道わきはコマクサが・・。

夜は初めての体験、肉眼で人工衛星を見た。
ここは空気が澄みよく見えるところなのだ。

第二日目(剣ヶ峰ほか4山登山)

二日目の朝は、午前4時に起たが
生憎の濃霧で日の出は無理。
そこで
高山市から今朝登ってきた飛騨乗鞍観光協会事務局長とカメラマン、
宿泊客で乗鞍取材に来た朝日新聞記者、
宿の主人(飛騨観光協会副会長)の5人でストーブを囲みながらしばし談笑。
観光客減少の原因とその対策を話し合った。

朝食後は霧が晴れて快晴。
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乗鞍神社と山の郵便局

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鶴が池の向こうには残雪が・・・。

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北側(畳平)から見た肩の小屋近くにある東京大学宇宙線観測所

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あっという間に雲が

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風速が20m/sec近くあるため登山者は極端に少ない

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そんな中で出会ったのがなんと80歳を超える大阪から来た老夫婦

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東斜面は、まだ大雪渓が。

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南側から見た肩の小屋付近

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肩の小屋は石積みの壁だ

IMG_3193剣ヶ峰はまだ見えない.JPG

まだ剣ヶ峰は見えない。あの山のむこうだ。

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急斜面が続くガレ場

IMG_3197★蚕玉岳2980m.JPG

蚕玉岳2,980mの頂上、剣ヶ峰はもうすぐだ。

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剣ヶ峰3,026mに到達。どこかの爺さんがポーズをとる。

IMG_3205★乗鞍岳頂上小屋.JPG

頂上小屋は昔ながらの石積み屋根。中に入ると芯柱が傾いている。
今年数十年ぶりに改築するという。

IMG_3209頂上小屋の親父さん 渓流釣りの名人.JPG

頂上小屋の主人。この人渓流釣りでは有名な人。全国くまなく釣り歩いている。

IMG_3210★不思議な模様と色合い.JPG

またも霧が。不思議な模様が下方にあった。

IMG_3212 ★子連れ雷鳥 雛の数は2羽.JPG

下山途中、子連れライチョウと出会う。何羽いるかわかるだろうか?

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下山は心にゆとりができる。この遠望がたまらない。

IMG_3230★ピンクのキバナシャクナゲ.JPG

珍しい薄いピンクのキバナシャクナゲを見つける。
宿の主人に報告すると「それは珍しい。見たことがない」という。

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お花畑に群生するクロユリ

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自分が若いころ、ここは野営地であった。いまは、お花畑となっている。

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短い夏を享受する花たち

第三日目(ご来光と大黒岳ほか2山)

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かすかに太陽が・・・。山並みの色合いが墨絵のよう

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アップすると山稜上部に帯状の雲が・・・。

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雲の帯の合い間から朝日は登る。

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朱に染まる山肌

あたりがすっかり明るくなると岩陰のコマクサも目を覚ます。

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朝日を受けて朱に染まるコマクサ

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感無量の光景

SSIMG_3273遠方の笠岳にも朝日が.jpg

残雪残る笠ケ岳にも朝日が

このあと大黒岳に向かう

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大黒岳山頂から見た笠ケ岳 

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その右に槍ヶ岳も見える

SSIMG_3329★烏帽子岳に向かう登山者.jpg

大黒岳から烏帽子岳に向かう登山者
天空を飛ぶ黒い物体は、レンズの前を横切ったアブ


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帰途、車中から撮った夏スキーを楽しむひとびと。

※延々と不鮮明な写真を並べた後は、「続き欄」に文字で心象を記します。

乗鞍岳・畳平の朝
 

カランカラン、カランカラン。
朝霧のなかからハンド・ベルの金属音が聞こえてくる。
日の出前の時刻は、まだ闇の中に等しい。
気温16度。下界では連日34度を超える猛暑というのに、
ここは暑さ知らずの別天地である。
海抜2,702m、中部山岳国立公園「乗鞍岳畳平」の朝だ。

カランカラン、カランカラン。
ベルの音は、一か所にとどまらず移動しているように聞こえてくる。
小学生のころ、授業の始業・終業時に鳴った鐘の音とおなじである。
 静寂な朝がぼんやりと明るさを増してくると、霧の流れをぬって人の影がひとつ、
またひとつと見え隠れする。その影は、一様に富士見岳の裾野に向かっている。
ご来光を仰ぐためである。
 

見晴らし場所に着く直前、幸いにも霧はパッと消えて視界が広がった。
遠方の山稜は濃い紫に近いが一色ではない。
青、紫、群青色、銀鼠など山々の位置関係によって色彩は変わる。

日の出の方角は、松本市街地方面より少し右側のようだ。
そこだけがほんのりと明るさを増す。
ただ残念なことに雲が帯のようにかかっている。
午前4時43分山稜と帯状の雲の間からオレンジ色に輝く太陽が昇った。
十数人の登山客から一斉に感嘆の声が上がる。
そのあと再び沈黙が訪れた。
朝日を浴びながらそれぞれがいろんな思いを胸に描いているのか、 
無心なのかはわからないが余韻に浸っているようだ。
陽が昇るにつれ、裾野も登山者もピンク色のコマクサまでもが朱に染まった。

カランカラン、カランカラン。
今度は大黒岳の中腹からハンド・ベルの音だ。
よく見ると作業服を着た男が鳴らしている。好奇心が増し、追いかけた。
その人は腕に腕章を付けた監視員だった。
ベルは、早朝登山者と熊が鉢合わせしないように鳴らしているのだ、という。
山小屋に戻る途中、「魔王岳山頂北300mに成獣一頭」と注意書きがあった。
3日前にはお花畑に、今朝も目と鼻の先に現れたのである。

宿のオヤジの口元に傷がある。
訊けば数年前、怒り狂った熊が観光客を襲い
これを引き離そうと熊にとびかかったときにやられた跡だという。
ここは熊の生活圏であって、人間がかれらの邪魔をしているのである。
[サッカー]


 


タグ:登山
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コメント 9

green_blue_sky

海と山の両方とは、私の周りでは皆無です。
どちらかですが・・・
どちらも自然との共存、私はどちらもできないので、尊敬します。
by green_blue_sky (2015-08-23 16:48) 

般若坊

こんばんは。両刀使いですか・・・体力気力十分でうらやましいです。^^
by 般若坊 (2015-08-23 18:35) 

g_g

朝日?素晴らしい!! これだけの花畑と景観羨ましいです。
ハクサンイチゲまだ咲いているんですね、2年位見てないかな・・・

by g_g (2015-08-23 19:03) 

なんだかなぁ〜!! 横 濱男

乗鞍は1回行きました。
勿論、車で行ったんですが。。
山が登れると言うことは、足腰が達者な証拠ですね。
ヒザを痛めてから、マンションの階段を上(登)ってます。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2015-08-23 19:14) 

セイミー

ご訪問いただき有難うございます
by セイミー (2015-08-23 22:25) 

Chobi.H.YAOITA

美しい山ですね!
でも本当の住人は熊…ちょっと怖いです
なるほど
バスで途中まで行けば標高が高くても大丈夫ですね

by Chobi.H.YAOITA (2015-08-24 00:38) 

沈丁花

素晴らしいです!元気を頂きました。\(^O^)/
by 沈丁花 (2015-08-26 05:53) 

旅爺さん

素晴しい~♪ お天気も良くて最高の登山でしたね。
爺も行きましたが登ったのはほんの少しだけでした。
by 旅爺さん (2015-08-31 05:55) 

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