気づきのない人 その2 しごと自慢と役職自慢 [長く生きてりゃ・・・]
きょうはロシア系日本人オーボラ・カチンクル・ジマンスキーさんの第二話です。
第一話(前回15日)を読んでいないかたは、
何のことだかわかりにくいかもしれませんが・・・
では早速始めます。ご興味ある方は続きをどうぞ!
4.しごと自慢と役職自慢
定年退職後も、会社勤めから抜けきれない人間がいる。
たとえば、退職後すでに数年経っているのに「うちの会社はねえ・・・」とか
「俺の部下は、ドジなやつが多くてねえ」などと今なお現役を気取る男がいる。
その数は結構多い。
会社勤めを終えたあと、自治体が主催する生涯学習塾や
ご近所の町会行事に顔を出して第二の人生に
生きがいを見つけようと友達作りに励むのだが、
周囲から疎んぜられる人がいる。これも困ったものだ。
<鯉にもほら吹きが・・?>
身近なところでも際立って自慢する男が二人いる。
一人は、技術系の教育関係者。
かれは定年少し前に、わたしたちのある「趣味の会」に入ってきた。
出欠の連絡をよこさないことしばしばなので、
こちらから、参加するのか、しないのかの問い合わせ電話を入れるときがある。
「参加します」「不参加です」とだけ言えばいいものを、
延々と自分の仕事の自慢を電話の向こうで語り始める。
しかも、趣味の会の真っ最中でも、だれそれとなく
「技能オリンピックの監督として大会に出なければならない」とか
「大企業から講演をたびたび要請されて困っている」
などと言い出すので会員たちはうんざりだ。
ある日、会員の一人がこっそりわたしに言う。
「あいつ、偉そうに言うねえ」
「聞くに堪えないあの自慢話は、コンプレックスの裏返しだろうね」・・・と。
このタイプは、すべてではないが教育に携わっている者に多く見受けられる。
社会のイロハも分からぬ時から長年「先生、先生」と呼ばれるためか、
いつしか他人に観られている自分に気づかなくなってしまうのだろう。
笑われている自分に気づかないとはじつに気の毒である。
一人の自慢屋のために会の雰囲気が悪くなるので注意してやらないと・・・
と思案していたら、女性会員がズバッとストレートに忠告した。
「あなた、ここは自慢しに来る会じゃないの。いいかげんにして!」
その場にいた何人かがクスクスと笑った。
それから間もなく一通のメールが届く。
「自慢話は恥ずかしいことだ」という意味の格言を引いての辞退届であった。
分別のある誰かが見るに見かねて箴言したのであろう。
◆
もう一人は、近年急成長を遂げた企業に勤めていた男。
仕事でかれと再会した時は、本社の業務本部長という肩書だった。
面談している間、とめどなく会社自慢が続いた。
それは愛社精神旺盛で結構なのだが
「おれはどこそこのだれだれを知っている」
「大企業の某社長は、わたしの友人だ」とまくし立てる。
だからなんなのさ? と聞き返したかったが受け流した。
かれは自分の権威づけに一生懸命なのだ。
その後まもなく
「暁烏くんはヨットの世界一周レースに出るとき、うちの会社に2千万円の寄付要請をしてきた」
と事実無根のデマを取引先やわたしの友人に語り出した。
この男は、その大部分が嘘とハッタリである。
わたしとかれの共通する友人に対しても
「うち(会社)のヨットで三浦半島沖をクルージングしていたら、偶然、暁烏くんに洋上で出会ってなあ」
と、さもセーリングのベテランといった口ぶりであった。(洋上で会った事実はない)
後日、彼をわたしのクルーザーに誘ったところ、
ヨットのヨの字も知らないド素人だった。
この人は、口先だけで生きてきたのだろうか。
この会社はこの程度の人物でも部長になれるんだ、と驚いた。
人材不足なのか?それとも企業倫理が低い会社なのかと疑問に思った。
たとえ世間に名が知れた企業でも、
かれは組織のなかの一使用人に過ぎない。
会社の威を借り、威張り散らすとは、器が小さい。
つづく
次回第3話は、成金自慢、学歴自慢と学識自慢を記します。
おはようございます^^
日々生きていて「だからなんなのさ」っと言いたくなる状況、結構ありますよね。
by mimimomo (2016-11-18 07:19)
この類の人種の方にお会いすると、「お幸せじゃないのね~お気の毒・・・」と思います。
by よしころん (2016-11-18 09:08)
だから、それがどうしたの?とか・・
よくありますね。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2016-11-18 17:17)
続編が楽しみです~!!
野菜ばかりでなく今年はパンジーの種を蒔きました~!!
by 川鮎くん (2016-11-18 18:26)
定年バンザイでした。
オサラバサラバです。
by 夏炉冬扇 (2016-11-18 18:52)
自慢話、「へ~」「すごいですね~」「勉強になります!」の相槌3つでやり過ごすようにしています^^;
by ゆきち (2016-11-18 21:49)
クスクス笑いながら読ませていただきました^^
by ぽちの輔 (2016-11-19 07:47)
ご訪問、嬉しいコメントありがとうございますm(^^)m
オーボラ・カチンクル・ジマンスキーさん、、すごい名前の人
だなぁって思い最後まで読ませて頂いたら意味が分かりました(^^”
気が付かないうちにそんな言動しないよう気をつけなければ、、って
思いました(*^-^*)
by ちぃ (2016-11-20 15:43)
人生訓にします。
人間は弱いものだ。少しでも鎧で安全を確保し、自分だけでも生き延びたい。これば延々と受け継がれ、今や他人との優位性を保つことで、存在意義を探ろうとする。
いいことだとも言えるが、人を不快にしてはいけない。自分に返ってくることだから。
by DANKAI_Gen (2016-11-21 09:00)
この記事もクスクス笑っちゃいました^m^
by リュカ (2016-11-21 10:35)
(笑)(笑)(笑)(爆) 戻ってコメントさせていただきます。
大きな組織に居ると、錯覚し目線が狂いがちです。 会社人間で役員、部長クラスにありがちです。(笑) それにしても自慢じゃなく酷いほら吹きですね。
by Jetstream (2016-11-25 23:27)