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NO.26 旅の職人   その⑫ 「バスの手配忘れ」に思う   [人生とは死ぬまでの暇つぶし?]

 02092314.面白バスボディー3.JPG

今朝の新聞で社会面を賑わしたのは、

高等学校の遠足で使うバスの手配を忘れたJTB社員(30歳)が、

生徒を装って自殺をほのめかし、遠足中止を求める手紙を同校に届けていた記事。

旅行会社最大手のJTB(略称=J)社員にして、信じられないおそまつな事件です。

いまどき、Jにもこんな社員がいるんだ! と驚きました。

これは担当社員だけではなく

Jの業務管理システム(チェック機能)の

お粗末さが露見してしまった事件です。

社長が交代したばかりなのに、とんでもないことが起こりました。

 旅行会社勤務の経験から申しますと「予約忘れ」は、たまにあります。

しかし、半年前とか、ひと月前、遅くとも1週間まえに手配担当が

リ・コンファーム(再確認)をして、事前に対処するものなのです。

このばあい実施前日まで気付かなかったといいますから、

もう弁解の余地はありません。

旅に突発事故はつきものですが、これは出発前です。

大手J中部の総力を挙げればバスの11台くらい手配できたはずです。

でも他社・他人を笑えません。

内容は違いますが、わたしや同僚にもいくつか失敗談があります。

恥を忍んで失敗談をいくつか記します。

よろしかったら「続きを読む」をクリックしてみてください。

失敗談 その1

 添乗中の失敗は「待ったなし」である。お客さんと行動を共にしているわけだから、その場から逃げることができない。責任は、すべて添乗員自身にかかる。また、解決策を上司に伺うこともできない。だから、未然に最善の注意をはらいながら行動するのだが、ベストをつくそうとも未必の故意みたいなことが起きてしまう。こんなことがあった。

1、シンガポールのホテルでのこと。

 それはタイとシンガポール4泊5日の団体旅行だった。まだ観光目的で旅ができない時代の話である。お客さんは今と違って英語の教育など受けていない。話せるのは、ほんの一部であるから買い物も、自由時間の行動も一人ではできない。磁石のように添乗員にぴったりと着きまとう。しかも海外旅行は初めてという人ばかりだから、日程の後半になると、お客さんは慣れない旅にへとへとになる。そして考えられないようなおかしな行動を取り始める。

パーキングエリアのトイレNEC_1460.JPG
今、洋式トイレをこのように使っている中国人・韓国人が多いらしいが笑えない。
当時、このように使う日本人がたくさんいた。

 最後の朝がやってきた。わたしは、いつものように食堂の入り口で自分のお客さんを出迎えた。Y婦人が目の前にやってくる。目と目を合わせながら「おはようございます」「ハイ、おはよう」とあいさつを交わす。

トーク カクテルハット.jpg この女性、ベール付カクテル帽にサングラス、フリルのついたブラウスはちょっと見、鹿鳴館の貴婦人タイプ。気位も相当高そうな、年のころ60歳前後の人だった。挨拶で頭を下げたとき、目線が彼女の下半身を捉えた。

びっくり仰天!おすましの貴婦人?が スカートをはいていない。パンティー丸見えのスケスケのスリップ姿なのだ。はけない理由があったわけではない。いまなら原宿やビーチでこんな衣装の女性も見かけるが、時代がちがう。単純なミステイクだ。

 
 
 こんなとき、読者の皆さんはどう対処するのであろうか? 
わたしは言葉で失敗してしまった。とっさに出た言葉がストレートすぎたようだ。小声で「奥様、スカートをお忘れのようで」と言ったところ、かのじょは、顔を真っ赤にして次のようにその場を繕った。
 「存じております」「えっ、ではなぜ?」「失礼な添乗員ね。それをわたくしに言わせるの?」 
猛烈に怒り出したのである。その怒り方が半端ではなかった。延々とその日、羽田に着くまで嫌味と脅しを受けた。「気が利かない添乗員だ」とメンバーに言いふらし、「帰ったら岸(元首相)さんに言いつけます。あなたを会社から追い出して見せるわ」等々。これには本当に閉口してしまった。

 これはJ社員のような大それた失敗談ではないのかもしれないが、わたしの一言で、チームワークが乱れ、後味わるい旅になってしまった。爾来、気位が高く、世間ずれしているご婦人を見るたびこのことを思い出す。[サッカー]

※その2は連休明けです。


タグ:旅行
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コメント 4

つなみ

こんにちは(⌒∇⌒)ノ"
バスの件は、色々考えてしまいました。
ミスを報告し手配をするができないほどの脆弱なメンタルなのか、
はたまた報告できないほど会話が成り立たないクラッシャー上司で何とかしてミスを隠したかったのかしら、とか。
くだんのご婦人のお話は、驚きました。
でも、私が口腔外科で医療秘書をしていたとき、外来にこられた60代のご婦人もスカートをお忘れでお受診がありましたよ(*´∇`*)
by つなみ (2014-05-03 21:09) 

暁烏 英(あけがらす ひで)

つなみさんへ
同じようなご婦人がいるんですね。
今考えると、ボケの始まりなんですかね?
JTBの社員も、件のご婦人も素直にミスを認めちゃえばいいのに姑息な手段をとってその場を繕うからおかしくなるんですよね。

by 暁烏 英(あけがらす ひで) (2014-05-06 13:16) 

ため息の午後

間違いやうっかりミスは誰にでもありパニックになりがち
ですがごまかさないで冷静に対処しなければなりませんね。
by ため息の午後 (2014-05-11 20:07) 

つなみ

こんにちは(⌒∇⌒)ノ"
件のご婦人は、どうしてもどうしても、「スカートを忘れた」と言うのにプライドが邪魔したのでしょうね。
口腔外科でお受診なされたご婦人は、私が「お腰がお寒くございませんか?なにか巻くものをお貸しいたしましょうか?」とたいおうしたら
「ぎゃー、タイツ二枚はいたらスカート忘れた!」とおっしゃり狼狽困惑。
スカートをお貸ししました。
いつもと違うシュチュエーションだと忘れちゃうみたい。
バレエクラスでも、ご高齢だと上はちゃんとTシャツなのに、下半身薄いタイツだけのいでたちのご婦人がいましたよ。
レッスンで目のやり場に困るから、お帰りいただいたことがあります。
男女同じでお洋服の忘れ物は、「ごく初期の…」場合があるから、気を付けていますよん。(*´∇`*)
by つなみ (2014-05-14 12:34) 

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