山羊さんと夕焼け [人生とは死ぬまでの暇つぶし?]
幼いころ近所にあごひげを生やしたお爺さんがいた。
いつも東の方角からリヤカーを牽きながらやって来て
西の松林の方に消えていった。
ぼくらはこの老人を「やぎ爺さん」と呼んだ。
自分も山羊爺さんと同じ年頃になったがあごひげはない。
山羊を見るたびにあの爺さんを思い出す。
瞑想する山羊
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浮世絵の始祖と言われる菱川師宣※の代表作は、下図の
他方、厳しさの足りない乾燥肌の山羊は
『見返り美人』である。
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山羊だって負けてはいない。
見返り山羊
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一方、叡山には日本一厳しいという「千日回峰行」という修行がある。
一日2時間しか眠れず、毎日山中を30キロも拝みながら歩く。
寝る時も立って寝るというから並みの人にはできない修行だ。
阿闍梨の「千日回峰行」
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ところが山羊の世界にも厳しい修行をする者がいる。
山羊の「千日回峰行」 高さ約2m、幅20cmの細い板上を黙々と歩く。
満願かなって「北嶺大行満大阿闍梨」になれるか?
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「痒いいの、かゆいの、たまんメ~」・・
水飲み場のコンクリートの角に何度も何度も体をこすりつけて痒みをとっている。
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山間のサンセットはあっという間にやって来る。
癒された一日。
※菱川師宣は、南房総の鋸南町生まれ。JR房総西線「保田駅」近くに生家跡がある。
公民館前に記念館もある。
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