後期高齢者の心臓手術：気まぐれ日記：SSブログ

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後期高齢者の心臓手術　[長く生きてりゃ・・・] [編集]

娑婆の空気がこんなにもおいしいと思ったことはありません。
一昨日まで、畳３枚ほどの独房に数日間隔離されていたためです。
犯罪を犯したわけではありません。
心臓の手術(心房中隔穿刺を伴う心筋焼灼術)をしたためです。
外出できなかった間にたくさんの花木が咲き始めているのをみて
嬉しさ，楽しさでウキウキです。

ヒガンザクラ

桜はこんな散り方をしない。？？？

寒緋桜

花柄ごと地面に落としている犯人が見つかった。

サンシュユ

エリカ

◆

さて、続き欄はこのたびの、手術体験記を載せてみます。

何かしらのお役に立つかもしれません。

◆◆◆

気まぐれ日記

後期高齢者の心臓手術

「そろそろ手術してみましょうか」
「そうですね、で、いつ？」
「来週月曜日入院、翌日手術でどうですか？」
「ハイわかりました」
「では、看護師から入院手続きの説明を聞いてください」
たったこれだけの会話で、心臓の手術が決まった。
経過観察を数年続けてはいるが本当の病名が
掴めていない心臓の手術である。
あわただしく準備をして病院に入る。

入院初日は、気分が悪かった。体調のためではない。
看護師の対応である。採血に失敗を重ねたからだ。
「血管が浮き出ているからわかりやすいですね」
看護師は、こう言ってから左肘内側の血管めがけて針を刺した。
ところが血液が出てこない。
針が血管をそれていたのだ。
「おかしいですね」と独りごとのようにつぶやいてから　
そこから１センチも離れていないところに２度目の針を刺した。
しかし、また血液は流れ出てこない。
３度目は「右手に変えてみましょう」
といって手首の近くに針を刺した。
またもや失敗である。新人看護師だからと我慢していたが、
４度目もダメだったら爆発したかもしれない。
ここで彼女は無言で席をはずす。
4、5分後、先輩看護師を連れてやってきた。
ついにギブアップしたことを知る。
先輩の看護師は、「血管はネ　このようにして探すのよ」
とやさしく諭すように言いながら
右ひじの内側を刺してやっと採血が終わった。
ところがこれも針の刺し過ぎらしく、大きな青あざができる始末である。
手術前日にこんな未熟な対応を見せられると、
本番の手術は大丈夫かな？と
不信感を持つのは私だけではないだろう。

このあと風呂に入るよう指示され浴室に向かった。
浴室に入ってみると浴槽と洗い場の壁が腐食していて、
ところどころ鉄さびのような色が浮き上がっている。
入る気になれずシャワーで体を流し早々に出た。

夕方、３０代半ばの医師がベッドにやってきて
「明日はわたしが担当します。宜しく」と言う。
その顔を見て驚く。
どちらが病人かわからないような疲れ切った顔なのだ。
どのような段取りでどういう手術を
何時間くらいかけて行う等の口頭説明は一切無い。
１枚の計画書を渡されただけだ。
過去の入院手術は、慈恵医大や東京女子医大など大病院だったから
懇切丁寧な事前説明があった。
しかし、地方自治体が経営する病院なんてこんなものなのだろう
と諦め、翌日の手術に期待をかけた。
　
手術当日、１４時に手術室に入ると、居るわ、居るわ、たくさんの医療スタッフ。
数えてみると16人が戦闘服？を着けて出迎えてくれた。
こちらは片手を上げて微笑み返し。
自慢にはならないが当方は外科手術16回目のベテラン。
スタッフの一人ひとりを観察するゆとりがある。
一人を除いてみな若い。
前日憔悴しきった顔の担当医は、昨日とうって変わって
すがすがしい顔をしている。
こんな場所でいうのもおかしいのだが、わたしは言った。
「先生きょうは健康そうなお顔ですね」すると
「昨日は夜勤明けだったんですよ」と応える。安心した。
　
痛み止めの麻酔、造影剤、抗凝血剤（血液が固まらない薬品）など
7.8本の注射の後、ウトウト状態となる。
しかし、麻酔は完全に効いてないらしく、医療スタッフの会話が聞こえてくる。
「おいおい、テイモウ（剃毛）が完全じゃないな、剃りなおせ！」
「止血！止血！」
身体の全体をシート状の布で覆われているのだが
少し隙間があり、そこから進行状況がわかるモニターが見えた。
けっこう手際がいい。予定より2時間も早く終了。
あまりにも早いので手抜きだったのだろうか？
手術はあっけなく終わったが、このあとが苦しかった。
体をベルトで固定され8時間近く身動きできない。
加えて隣の爺さんが一晩中病棟全体に響き渡るような声で
わめき散らしていたから一睡もできなかった。
この爺、痛くて騒いでいるのではなく、寝言なのだ。
ウヒャア～！　痛てえ～！　ワオ～！　グヴァヴァヴァ～！・・・
顔は干しリンゴのようにしなびているが
声は若者のそれを超える。
人食いゴジラの部屋に入れられた気分だった。

何はともあれ無事に退院。
現在は自宅療養につとめているが、
傷口はいまも紫色に腫れ上がっている。
心臓の動きは手術前1分間に７０回前後だったのに術後は90回台となった。
治ってないようだ。

成功かどうかは数日後に判明するらしい。

タグ：入院

2018-03-20 19:49 nice!(70) コメント(23)
共通テーマ：日記・雑感

nice! 70

お疲れ様でした。
by tama (2018-03-20 20:10)

大変でしたね(+_+) 早く良くなりますようにm(__)m
by middrinn (2018-03-20 20:27)

何はともあれ退院おめでとうございます。
この世の春を楽しみましょう♪
by よしころん (2018-03-20 21:34)

医者の前ではまな板の鯉状態で身を任せなければ
ならない患者。。。恐いですが仕方ないでしょうか
私も心臓があまり良くない家系
入院手術は避けたいですが。。
by きよたん (2018-03-20 22:13)

おはようございます。
お疲れ様です、大変でした。
by YUTAじい (2018-03-21 07:38)

おはようございます！
手術も大変でしたがその後も大変でしたね。
早く快癒されるますように！！

by Take-Zee (2018-03-21 08:48)

手術は嫌ですね、私はやりたくないですね、とりあえず退院おめでとうございます。
by 馬爺 (2018-03-21 11:06)

手術大変でしたね。
お大事にして下さい。
自分は潰瘍で胃を切ってます。
3週間の入院でしたけど、
気分だけでも快適な病室にしてほしいものです。
そうしないと、気が滅入りますから。

by 横　濱男 (2018-03-21 13:40)

大変でしたね。
それぞれに「年齢」ですから。
by 夏炉冬扇 (2018-03-21 18:38)

先ずは手術無事終了おめでとうです。
日増しの快復、、、春ですね。
ご苦労さんでした。
by えんや (2018-03-21 20:22)

あまり聞き慣れない心臓の手術無事退院
おめでとうございます。
術後だけにお大事にして下さい。
by g_g (2018-03-22 07:52)

手術、大変お疲れさまでした。
病院は・・・具合が悪くて行くところなのに、さらに具合を悪くする要素がありすぎてかないませんね。
術後の経過が順調であることお祈りしております。

by ゆきち (2018-03-22 13:54)

お見舞い申し上げます。
術後ですので退院後もくれぐれもお大事になさってくださいますよう。
お祈り申し上げます☆
by chiho (2018-03-22 14:23)

こんばんはーー
何と申し上げたらいいのか・・・兎も角様子を見て、結果良ければ良し、と言うことでしょうか？
それはどこの病院ですかと伺っておきたいような・・・行きたくないな（－。－
by mimimomo (2018-03-22 19:31)

手術に至るまでの数々の不安材料を乗り越えて、手術に臨まれたんですね。それを笑い話風に記事されるなんて。。早く回復されんとお祈り申し上げます。
by DANKAI_Gen (2018-03-22 21:53)

ご苦労されていますね。
私も先月インフルエンザから肺炎になり酷い目に遭いましたから、
健康の有難さが身に染みて分かります。
早く元気になられるよう祈っております。
by 未来 (2018-03-23 08:23)

読みながらびっくりしたりひやひやしたり
心臓の手術ですよね。
詳しく説明なしなんてあり得ませんよね。
確かにどんな立派な医師も看護師さんも
最初は完ぺきとはいきません。
でも患者さんにとっては・・・
私はこの対応では不安になってしまいますね。
とにかく無事に手術が済んでよかったです。
経過もよいことを願っています。

by yoko-minato (2018-03-23 09:35)

コメントいただいた皆さんへ
　お気遣いいただきありがとうございました。もう少し時間がたちませんと、手術が成功したかどうかわかりません。しかし、今のところ順調に回復していますのでご放念ください。
入院先の病院は、失礼になるのであえて書いてありません。近々建て替えるようですので衛生面は良くなるとお思いますがソフト面でも改革してほしいので、問題点を整理し、行政のトップに直接話すつもりです。
　
　
by 暁烏　英（あけがらす　ひで） (2018-03-23 10:41)