古希+3の手習い その1.水墨画との出会い [長く生きてりゃ・・・]
霧の吹き方、刷毛の動かし方、のりのつけかた等、
手加減をちょっとでもまちがえると
皺だらけになったり裏紙と絵(表紙)の間に空気が入ったりする。
とても集中力を要する作業だ。
しかし、これも描くのと同様、けっこう楽しい。
きょうから2回に分けては、水墨画の魅力についてお伝えします。
趣味の自慢話は、観る側、聞く側にとって不愉快千万!
よって、ご興味のある方だけ、続きをどうぞ!
その1、水墨画との出会い
平成28年9月27日(2016・9・27)
趣味の一つに水墨画を描くたのしみがある。
習い始めたのは、古希を過ぎてからだが、興味を持ったのは少年期。
よって、観て楽しんでいた期間がかなり長い。
初めての出会いは、高校生のころ品川の米国人宅だった。
自分より一まわり以上離れたいとこがここで働いていた関係で
ちょくちょくお邪魔していた。
ここの主は、ロバート・シュワンテスというアジア・ファンデーション※の職員で、
奥方が水墨画を習っていた。
練習帳に描かれていたものは伝牧谿(もっけい)の
『竹雀図』に描かれているような笹の葉だったが
墨の濃淡の美しさに感動したことを今でも鮮明に覚えている。
こちらは絵が見たくて、というよりも
同い年の金髪の美少女ヴァージニアがお目当てだった。
アメリカン・ハイスクールと日本の高等学校の違いなどを身振り手振りで話し合った。
「なぜHIDEは、スキンヘッドなの?」
「バスケットボール部員だから」
「ははは、日本のバスケットボールは頭からリングに飛び込むの?」
これには参った。なぜ坊主頭だったのか?
今なお答えが見つからない。
文化の違いは説明しにくい。
「アメリカでスキンヘッドは、囚人だけよ」
数年後、米国映画『追想』や『王様と私』で
俳優ユル・ブリンナーの坊主頭を見て反論したくなったが、時すでに遅く、
一家は、ウィスコンシン州へ帰ってしまったあとだった。
母親は、若い男女の仲が心配だったのか二人の間に割り込んでは、
水墨画の素晴らしさ、奥深さを盛んに説いた。
「スミエ(墨絵※)ハ ニッポンジンノココロヨ コレデ レンシュウシナサイ」と
テキストブックをくれた。
東洋絵画の薀蓄(うんちく)を米国人に教わるとは奇異である。
(つづく)
◆
注釈:① Asia Foundation】アジア財団
アジア諸国の社会・教育開発を目的に,1952年に設立されたアメリカの事業財団。政府補助金および民間寄付をおもな財源として,東南アジア、南アジア、東アジア(日本,韓国,台湾,香港)諸地域の地域社会を対象に,(1)社会・教育施設の整備,(2)地域指導者の養成,(3)法律,行政管理制度の確立,(4)食糧,栄養,衛生,人口問題の指導,(5)開発のための域内協力の推進,(6)アメリカとアジア諸国との相互理解の増進など広範な開発援助事業を行っている団体。
②墨絵:米国では水墨画のことを sumi-eという。これは戦後、日本文化の一つの例として墨一色の画が紹介された折にsumi-eと呼んだため、これが一般的になったらしい。ちなみに中国、韓国では墨で描かれた象形絵画は「水墨画」で統一されているが、日本では、墨絵、山水画、墨彩画など、いろいろな呼び方をされていて統一性がない。この辺りを次回詳しく述べてみたい。
素敵な画法を教わりましたね、練習を重ねて大作をぜひ描いてくださいそして自分で貼って仕上げると言う夢が有っていいですね
by 馬爺 (2016-09-27 15:42)
こんばんは^^
難しい作業ですね。わたくしは不器用だからいろんな作業が下手です。
水墨画は好きですが、自分では描けないです(過去通信教育で「俳画」やったけれど全然上達しません)
by mimimomo (2016-09-27 20:21)
水墨画って不思議な魅力がありますね。。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2016-09-27 20:45)
裏打ちご自分で。
素晴らしい。
by 夏炉冬扇 (2016-09-28 17:36)
水墨画、墨の濃淡に気品があって美しいですね。
昔、真冬の最上川の様子をみて、水墨画のようだと思った感動を思い出しました。
by ラン (2016-09-30 01:21)