桜への嫉妬 [花と心象]
きょうは、古くから日本人が愛してやまない桜の花への嫉妬心をエトキで記します。
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『春ごとの花に心をなぐさめて六十(むそぢ)あまりの年を経にける』・・・西行
(ふりかえれば60年余り、春ごとに桜に心を慰められてきたんだなぁ)
自分は70年以上も・・・・・です
日本の花と言えば、桜。
北から南まで全国どこにでもあります。
咲いている場所をみると、
山全体が桜の山
(吉野山の散った桜の下に自分の心は奪われたままだ。あの桜は今年も私を待っているのだろう)
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みごとな枝ぶりを見せる銘木1本桜
秋田 角館の武家屋敷街
どれを見ても心がわくわくします。動乱の世に※西行が桜を求めて旅した気持ちがわかります。
春には他の花も一斉に咲くのに、なぜ桜の花が一番愛されるのでしょうか? 桜前線の報道があっても梅前線・ボケ前線などということばを聞いたことがありません。
他の花木と違い枯れ木のような幹に葉より先にパッと咲く桜は、冬の寒さをこらえていた日本人の心が開放的になる季節に咲くから好かれるのでしょうか。モクレンやコブシだって似たようなものです。しかし、大柄な花弁と幹の色が明るすぎて日本人の繊細な心に響かないのかもしれません。
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ぼくは考える。
全国の爺さん婆さんが、南から北へと気温の上昇に合わせ
顔のしわを引き伸ばし、ついでに曲がった背筋をシャキッと伸ばし
一斉に杖を捨てて走りだす春ならば、
ジジイ前線、ババア前線なることばも生まれよう。
が、現実は乾物みたいで悲しいものです。
桜のように見栄えは美しくなくとも乾物には
隠し味があるんですがねえ・・・。
※西行=平安時代末期から鎌倉時代にいたる動乱の世、北面武士(宮中を警護する武士)から故あって遁世。俗世から離れ花鳥風月の“美"にわが身を置いた行動の歌人。とくに桜を愛し、桜を歌った数は約230首もあります。有名な歌は亡くなる数年前の遺言のようなつぎの一首。事実その季節に願い通り生涯を終えました。
『願はくは花のもとにて春死なむ その如月(きさらぎ)の望月の頃』
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※上図は、この春の桜と、過去に訪れた桜の名所(無名を含む)の写真から抜粋。ピンボケ写真ばかりで失礼しました。
桜・・・どれを見ても見事・・・としか言いようがありませんね。
1年のうちで一番華やかです。
by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2016-04-05 20:48)
どれも見ごたえがあり、それぞれよいですね。
桜を追いかけていく人の気持ちがわかります(^_^;)
by green_blue_sky (2016-04-05 21:04)
西行法師の歌と共に、日本中(おそらく)の桜を楽しませていただきました。
花は桜木、人は武士・・・ですね! ^^
by 般若坊 (2016-04-05 21:15)
西行法師のように「死ぬ時・場所」ぴったりでありたいですが…
by 夏炉冬扇 (2016-04-06 21:02)
これだけ各地の綺麗な桜が並ぶと壮観ですね。^^
行ってみたい場所ばかりです。^^
by rappi (2016-04-06 23:03)
どれもこれもスゴイ!としか言いようのない絵巻物のような桜の風景、息を飲みました。
とくに3枚目の吉野の千本桜は圧巻! 見入ってしまいました。
西行は教科書に必ず載っている有名な歌人ですね♪(´▽`)
by saia (2016-04-07 20:00)
桜の名所ですね。とてもきれいですね。(^^)
by はな (2016-04-07 21:40)
壮観です。
桜の綺麗な時期は短いですが
桜の時期になると春を喜び、うれしくなります。
by ryang (2016-04-07 22:54)
私も不思議です
日本人の桜の花への思い入れの深さが
姿のよさを愛でるというよりも
敬愛とか崇拝に近い感じがします
また、あまり見事に咲くと怖いような気もします(^_^;)
by Chobi.H.YAOITA (2016-04-09 01:43)
桜の名所見せていただきました。
by めもてる (2016-04-09 10:58)
私は山桜が好きです。
秋は山全体が紅葉しますが、春も山一面が桜色に染まります。
一本の桜古木もいいものですね~!!
by 川鮎くん (2016-04-11 08:38)