気まぐれ日記‐ＳＴＲＡＹ　ＣＡＴ　その１、チャとシッポのこと：気まぐれ日記：SSブログ

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気まぐれ日記‐ＳＴＲＡＹ　ＣＡＴ　その１、チャとシッポのこと　[長く生きてりゃ・・・] [編集]

朝晩冷え込みが強くなりました。

猫を暖房代わりに抱いて寝たこどもの頃を思い出します。

茶太郎

きょうからこの猫をとりまく過去５年間の記録をシリーズで載せます。

①　チャとシッポのこと

茶太郎（通称＝チャ）は毛並みがいい。加えて頭もいい。
しかし、出自は野良である。
いまは、わが家のご近所・Ｎご夫妻の深い愛情に包まれながら、
平穏な日々を送っている。
珍しい淡い茶色の毛並みの猫で気品に満ちた美系の顔立ちなのだが、
数年前は人に寄りつこうともしない野生味があった。
性格を変えたのは、Ｎ夫妻に出会ったことと、ある事故からだ。
人になつかねば、「この先、生きていけない」と、
自身の生き方をかえたようである。
チャは、やせ我慢しながら生きているわたしよりも世渡りがうまい。

　近所の人はだれもその場を見ていないので真相はわからないのだが、
ある日、Ｎ氏が気付いた時、チャはうしろ足2本を複雑骨折していた。
夫妻は、日頃この野良に食事を与え面倒をみていたから、
驚いて直ちに犬猫病院に運んだとのこと。
　介護の甲斐あって少し引きずる感じではあるが、歩けるまでに回復した。
これ以来、人懐こくなって、「チャ！」と呼べば、かならず近寄ってくる。
信じることから愛が始まるというが、
この場合は先にＮ夫妻の愛があって、
チャは人を信じるようになったのだろう。

　ここ一週間姿を見せないと思ったら、原因不明の病気にかかり、
食事をとらなくなってしまい病院で点滴を受けてきたそうだ。
今日のチャは犬のようにリードをつけて、歩けるまでに回復していた。
Ｎ氏が、「後ろ足を触ってみて」というのでそっとなぜてみると、
確かに骨がつぶれていることが指先から伝わってくる。

　チャは、わたしを近所の「猫好きな爺さん」と認識している。
目の前でゴロッと寝ころび腹を見せることもある。
じつに人懐こくてかわいいのだ。

チャの遊び仲間に「シッポ」がいる。この猫も出自は野良らしい。
が、野良の渡世からわらじを脱ぎ、
これまたご近所の住民のところで厄介になっている。
個性的な風貌と、冷めた性格を持っている。
顔立ちは美形ではない。田舎の青年といったところか。
ギョロリとにらんだ顔は、ミミズクかコノハズク似ている。
人間でいうなら悪ガキといった面構えだ。
白と淡い灰色のぶち猫で、しっぽがワオキツネザル（輪尾狐猿）に似ている。
この変わった尻尾からこの名がついたようだ。

　こいつは可愛げがないが、なぜか憎めない。
猫らしいといえば猫らしいのだが、わたしになつかない。
しかし、お互い気になる関係だ。

「シッポ！」と呼ぶと、生意気にも眼（がん）をつけてから、すごすご去ってゆく。
この突っ張り具合をみるとまだ若者かもしれない。チャのような肉体の痛み、
心の痛みを経験していないからか、まだすべての意味でチャには勝てない。
　シッポは、人間とのコミュニケーションのとり方において不器用である。
人間が気になるのだが、プライドが高いのか、ひにくれているのか、
すり寄れない。
逃げながら振り向いたり、座り込んでこちらをじっと観察したりする。
やきもちでもある。
チャとシッポが仲良く遊んでいるところに割り込むと、チャだけがその場に残り、
シッポはさっと３～４ｍ逃げる。
チャは、すり寄ってくるのでこちらはつい頭をなでる。
これを見てシッポは、「ふーっ」とうなり声を出して威嚇するのだ。
こいつ本当は愛に飢えているのか？　などと勘繰ってしまう。
「強がりはやめろ、もっとまるくなれ」
と、こちらは絶えず念を送っているから、そのうち性格を変えるであろう。
だが、ロシアのことわざ『オオカミの毛色は変わっても本性は変わらない』に
従えば、猫の性格も変えることはできないのだが・・・。