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そろそろ食べごろ [野鳥]

 厳寒の季節です。私たち人間は、真冬でも食にありつけます。
この季節、雪深い土地の野鳥たちは、ひもじい思いをしていることでしょう。
雪がめったに降らないここ千葉の街中でも、野鳥のエサ探しは楽なものではないよう
です。
なかには人間同様要領のいい鳥もいることを知りました。
きょうの日記は冬の野鳥のしたたかさを記します。
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誕生日に飛んできたアオサギ(さてその目的は?)

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手塩にかけたミニチンゲンサイの苗

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確信犯1(雀)

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確信犯2(ヒヨドリ)


そろそろ食べごろ

 変化朝顔栽培には少し自信がついたわたしである。朝顔に限らず花を観賞するのは楽しい。日ごろから「花を見て美しさを感じなくなったらおれの人生も終わりだ」と思っている。しかし、花は、目と心の保養になるが、実利的ではない。そこで2年まえから、ナス、キュウリ、トマト、オクラなども栽培してみた。しかし、こちらはトマト以外すべてダメだった。
 

DSCF7991[1].jpg それでも懲りずに昨年の初冬にミニ・チンゲンサイの種を鉢に蒔き二ヶ月が過ぎた。一昨日の朝見たときは、もう食べてもいいかなと思うくらい80株すべてが虫ひとつつかず育っていた。1日2株ずつ食べても優に1カ月は野菜に不自由しないとひとりニンマリする。
 

 旅の疲れもあって、今朝は8時ころ雨戸を開ける。開けてびっくり玉手箱なら喜びもひとしおなのだが、悲しみが襲った。一番大きく育っていた一鉢五株植えのチンゲンサイが一夜のうちにミズナになっている。なぜ? と目を凝らすと、葉っぱを食いちぎられてミズナ状になっていることが分かった。別の鉢もやられているではないか! 犯人は葉っぱを食む虫ではないことが一目でわかった。 
 

 人間のドロボーは度胸づけに忍び込んだ家の土間や座敷に脱糞するという。この犯人もあちこちに同じ行為をしていた。排泄物を注意深く観察する。糞は大きいのと小さいものと二種類ある。大きい方はピラカンサスの実らしきものと、木の実の皮らしきものが混ざっているから鳥類の糞に違いない。つぎに盗人(ぬすっと)鳥の種類は何か? 刑事気分で推理する。
 

 町内の制空権を握っているのはカラスである。しかし、近くに公園があるためか他にも飛んでくる鳥は多い。いままで目撃した野鳥をあげると、鳩、雀、燕、セキレイ、メジロ、ウグイス、キビタキ、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガ、コゲラ、珍しいものでは四年前の誕生日に隣家の屋根に飛んできた鶴のように大きなアオサギと、金魚をくわえたシラサギなどである。  
 

 鳥については花のようにはいかない。好き嫌いがある。カラスは、とかくに世間から嫌われ者になっているが、幼いころ自分の手で育てた経験から嫌いではない。人間の声と姿を識別できる、遊び心を持っている、道具を使う、など賢いところがあるからである。雀も小さくて愛くるしい目をしているので好きな鳥に入る。メジロ、ウグイスは緑や褐緑色の羽色の美しさだけでなく、さえずる声が美しいからこれも好きな鳥の部類に入る。

  この反対に嫌いなのは鳩、ヒヨドリ、ムクドリである。鳩は平和のシンボルというけれど、人間の近くでせこく飛び回り、おこぼれをかすめ取る。あの根性がいやだ。スケベエなところもいけ好かない。ゴロッポー、ゴロッポーといやらしい声を出しながら人前でも平気で交尾し、ポコポコ子供を産む。恥じらいというものを知らない。 
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ヒヨドリは、羽根色が青灰色で陰気なところが気にいらない。7音階の、どの音にも属さないヒーヨ、ヒーヨと変な声で鳴く。頭の羽毛は柳葉状に突っ立ち可愛げがない。耳羽を栗色に染め、洒落たつもりなのだろうが化粧崩れのようでいただけない。人家の庭にやってきて、柑橘類や柿などを汚く食い散らす。花見の季節は一番腹が立つ。人が桜の木の下で花を愛ででいるさなか、これ見よがしに花から花へと飛び移り、花弁を次々と食いちぎっては糞と共に地面に落とす。節操のなさが不愉快である。  

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  なかでも一番たちの悪いのがムクドリ。こいつは集団で現れ小賢しく、なんでも食いあさる。公園の芝の養生のために蒔いた肥料まで食ってしまう。そしてところかまわず糞を撒き散らす。住宅街で昼夜の区別なく大集団でギャーギャーと鳴き叫ぶ。夏の終わりから冬にかけては特にうるさい。くちばしと脚は黄色でいいものをもっているのだが、普段の行いが悪いせいか灰褐色の羽根に輝きがない。
 カラスは、黒くて「気味がわるい」という人もいるけれど、よく見れば「カラスの濡れ羽色」といわれるように黒く青みがかったつややかな色でけっこう美しい。美人の黒髪にもたとえられる。神話の世界でも3本足の八咫烏(やたがらす)は、熊野で道案内をして社会性があった。

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 一方、ムクドリは、むかし田舎から江戸の町に出てきた者に対し江戸っ子が「やかましいやい! ムクドリめ」などと、あざけるときに使っていた。どちらも鳥類学的には雀目なのにムクドリは劣る。名画の中にもムクドリは出てこない。 

 さて、鳥の好き嫌いは別として、これらの中から犯人?(犯鳥というべきか・・) を割り出すのは一見難くみえたが、今回は、かれらが遺していった排泄物の質(中身)と量、そして歯型ならぬ嘴型が葉っぱに刻まれていたからすぐに絞れた。
となりの瓦屋根の隙間に住む五羽の雀とは毎朝顔を合わせる仲だ。当然わたしだけでなくチンゲンサイの育ちかたも知っていたに違いない。したがって小さな糞は雀たち。木の実が混じった糞はヒヨドリとみた。なぜなら雀の口にピラカンサスの実は大きすぎるからだ。ここ数日、ヒヨドリが庭の木の実を地面に落していたのを目撃している。

 こちらが丹精込めて作った作物を「そろそろ食べごろ」と思ったのは自分だけではなかったところに隙があった。
 かの、俳人小林一茶は、文政7年8月3日の日記の中で面白いことを記している。妻の雪と離縁した日に「犬、鰹節を引く。雪女離縁・・・」と、たった一行しか記していない。女房との別れよりも、自分の食料である鰹節を失った方が心に響いたのであろうか? そうではあるまい。この一行の裏に、(わたしの勝手な解釈ではあるが)辛い現実を目の当たりにし、文字に表すことができない。だから、あえてこう書いたのだろうとも読めるのだが、食い物を盗まれた者の心境はわかる。
 

 近所の野鳥たちはこの厳冬期に食べるものがなくなったのだ。かれらも「今日を生きる」ために必死なのだ。かれらにおいしいところは奪われたが、こちらはミズナ部分を食えばいい。同じ時代に生きた動物同士である。ちょっとかれらに世助けをしたと思えばいい。[サッカー]


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コメント 6

谷津ひろし

色々な野鳥の観察力 凄いです。

 大自然 生かし生かされあいの世界ですね・・・。
 
 メジロは番で木々で遊び可愛いです。

鶯の春一番 谷渡り声 これまたいいですね。

 早朝ウヲーキング中、近所の子育て中の烏に襲われ怖い思いをしたことがあります。

 子供の頃、烏を飼ったのですね、私は文鳥 十姉妹 金華鳥を飼いました。
by 谷津ひろし (2014-01-29 07:02) 

Chobi.H.YAOITA

うちもやられました(>_<)昔、紫キャベツに脇芽があったので水に挿したら根がつきました。これを土に植えたらそれなりによく育ちました。冬になったら、やっぱり鳥がやってきて葉を食べ尽くし、トウモロコシの芯になってしまいました。(笑)
by Chobi.H.YAOITA (2014-01-29 19:56) 

mimimomo

おはようございます^^
鳩やヒヨドリムクドリの貶し方が面白く一人くすくす笑いながら読ませていただきました(^-^
by mimimomo (2014-01-30 06:34) 

YUTAじい

おはようございます。
ご訪問、nice! ありがとうございます。
宜しくお願い致します。
by YUTAじい (2014-01-30 08:19) 

hide-m

コメントをありがとうございます。多彩なご趣味をお持ちのようで、うらやましい限りです。おんせん県おおいたに単身で来て2ヶ月半。豊後街道歩きで胸椎骨折、親指の化膿やインフルエンザB型に係り、この1ヶ月最悪な状況です。一人住まいの不安と家族のありがたさを実感しています。
by hide-m (2014-02-08 20:31) 

sig

ヒヨドリはほかの小鳥たちを追い払うので好きではありません。今、うちの庭を我が物顔で専用しています。
by sig (2014-02-15 21:28) 

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